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憧れ。


by w-rainbow-rieko
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能・初体験                 


2008.8.8.fri  子供向け能のアートボランティア に参加してきた。

このイベントは大阪のNPO アーツアポリア というところが主催で
そこでバイトをしている高校からの友達の紹介で
人生初の『能』を体験。

『能』といっても想像していたような堅苦しさ・難しさは全くなく、むしろメッチャ緩~~~い感じ。
だから雰囲気にすぐに溶け込めた。

まぁ対象が子供、なので、元々「ワイワイ楽しみましょう!!」がメインテーマ。
スタッフさんも能楽師の方も、能楽堂のおかみさんも、とても気さくな方で
「楽しんでね!」と何度も声を掛けて下さって、
お陰でとても居心地が良かったし、もちろん思い切り楽しめた。

内容はこちら → 子供向け能『土蜘蛛』









能楽堂なんてこんな機会でもなければ多分一生関わることなんてなかったと思う。
誘ってくれた友達Nに心から感謝。(久々の再会も嬉しかった~~)

この山本能楽堂って普通の街中にポンって存在していて
隣はどこかの会社の倉庫だったり飲食店だったりで
何とも不思議。

だけど、中に一歩足を踏み入れると180度雰囲気が変わる。
そこに流れてる空気、温度、音、色、が一瞬にしてシンと、凛と、する。
背筋が伸びて、座るときは自然に正座、声のトーンも1段低くなる。


その空間をその雰囲気を、とても好きだと思うと同時に、

「あぁ わたしもやっぱり日本人なんだなぁ 」

ってそんなことをじんわりと、フツフツと思った。




能楽堂は外から見る限りごくごく普通の建物なんだけど、
(第一印象→老舗の鰻屋さんでした 笑)
中の造りは正に能楽堂。
高い天井ギリギリのところに能の舞台と屋根があってちょっと薄暗い。

舞台の奥の板壁には松が描かれていて、舞台の床はとても艶やか。
指紋が付くので舞台の壁は絶対触ってはいけない、とか
足の汗や汚れが付くので舞台に上がるときは絶対足袋に履き替えなければいけない、
という「絶対的」な決まりごとがしっかり存在し、それを自然に守っていることが
逆に気持ちいい緊張感をもたらしてくれる。

舞台=『神聖な場所』、ということばが本当によく当てはまる。


ワークショップの本番一週間前に研修があってそれにも参加してきたんだけど
そのとき、普段は見せてはもらえないところ、入ることはできない場所、なども
見学させてもらった。

能で使う道具、小物も大道具も全て屋根裏?? 奥にある楽屋のはりとはりの間とかに
素晴らしく微妙なバランスでそっと置かれていたり、(しかもこれらは全て手づくり!)
舞台の下は実は高床式倉庫みたいな構造でかなり高さがあって、
足をドンッと鳴らしたときによく響くように陶でつくった大きな甕が何個も置かれていたり、
役柄によって幕の開け方や掛け声が違っていたり、(みんなで実践体験しました)

なんか ひとつひとつがとても 感動 & 感激。


ホンマにいい体験をさせていただきました☆



で、もちろん何と言ってもボランティアスタッフとしての仕事は、本番当日なわけで。

朝11時に集合してみんな集まって説明を聞いたり、予定、手順、進行の確認をしつつ
能楽堂の方が用意して下さった手づくりおにぎり&だしまきたまご焼きを頬張りつつ
他のボランティアさんたちと楽しく和やかにおしゃべりしつつ
そしてみんな足袋に履き替えて
参加者数総勢100名に及ぶ子供たちを今か今かと待ち受ける。

そして、13時受付開始と共に続々とやってくる小学生たち。
しょっぱなから元気いっぱい。走り回るしゃべりまくる笑いまくる質問しまくる。
すげーーーーー
子供100人、すげーーーーー

わたしは赤チームで、受け持った子は9人。
小1から小6まで満遍なく(笑)居りました。

この子供100人で何をするかというと
簡単な太鼓や謡(うた)、手の動きなどの練習、実践、
その後、能楽師の方がつくってくれた『蜘蛛の巣』を真似して
わたしたちも紙テープで同じようにつくり、
能楽堂全体に張り巡らしたその蜘蛛の巣だらけの状態のまま
みんなで一緒に、短い能=「土蜘蛛」を観劇する、
というもの。

一応10班のチーム分けがされているので
蜘蛛の巣をつくる場所が割り当てられたんだけど
いざ始まってしまえば
もう、ぐちゃぐちゃ(笑)

隣のチームへ流れていく子や黙々と個人プレーを始める子、やみくもにテープを貼っていく子などなど。
でも、そんなこんなもぜーんぶOK!!!

それぞれの個性と方向性と性格が垣間見れてとても面白かったです。
それに、とにかくかわいい。
どの子も、かわいい。
わたし昔は子供の相手なんか全然得意じゃなかったのに
姪の光が生まれてから変わったなーと思う。
もちろん自分が年を取ってきたっていうのもあるけど
どんな子でも相手をしてあげられるようになった。

「先生こっち来てーー!」って呼んでくれるのも嬉しいし
気付いたら傍にちょこんと引っ付いてくれてるのも嬉しいし

何より、参加してくれたみんながみんな、とても楽しんでいたということが嬉しかった。
目が輝いてた。
表情が活き活きしてた。
そんなキラキラがいっぱいの中に自分も一緒に居られることがとても嬉しかった。


そして蜘蛛の巣の形なんてできるわけもない(笑)ぐちゃぐちゃのめちゃくちゃの白い紙テープで
溢れかえった場所から 迫力満点の能を観て 最後はみんなで紙テープをやぶりまくって、
掃除をして無事にワークショップが終了したのでした。

↓は、終わった後、舞台に上がったり、太鼓の練習をしたり、自由に過ごしている子供達の風景です。
(残念ながらワークショップ自体は肖像権などにより撮影は禁止だったので写真はありませーん)

能・初体験                 _e0051194_875460.jpg




今回、生まれて初めて能の世界というものに触れて
他の日本の文化にも興味を持った。というか、持てるようになった。
それは歌舞伎やお茶や花道など、色んなものへの関心が芽生えてきた。
なんかとてもいい傾向。
きっと陶芸にもいい影響を与えてくれると思う。

ホンマに参加して良かった。
アーツアポリアの代表のNさん、友達のN、(あ、ふたりとも同じイニシャル☆)、
よくして下さった山本能楽堂の皆さん、そしてボランティアスタッフの皆さん、
本当にどうもありがとうございました。

またこんなステキなイベントがあったら是非とも参加させていただきたいと思います。


※集まったボランティアスタッフさん10人の中で友達のN以外に、元々知っている人が
  偶然2人も居てびっくり!! 他にも、友達Nと共通の知り合いが実はかなり居たという事実も
  発覚し、改めて「世間はホントに狭いよね~~~」としみじみと言い合ったのでした(^^;)
by w-rainbow-rieko | 2008-08-14 10:04 | アート